誰についてく?
克幸3−3
「すみません」
「え?何?」
急に話し掛けられて、克幸はちょっとびっくりしたが、一応応える。
「図書館って、どっちかわかりますか?」
「あん?図書館なら、この信号渡らずに、あっちにまーっすぐ行って、んで、次の信号渡らずに、左に行ったらあるよ」
「あ、そうですか。どうも、ありがとうございました」
高校生は克幸に頭を下げると、信号を待つのをやめて克幸の言った方に歩き去った。
信号が変わると、渡辺はまた、一生懸命自転車を漕ぎはじめた。
しばらく走ると、やっと海が見えてきた。
「ヤッホーっ!着いたぞっ」
渡辺は嬉しそうに声をあげた。
「げーっ。人が多いな」
と、克幸。