誰についてく?

武志は、めちゃくちゃに散らかっている服を眺めて悩んだ結果、

「よしっ、決めた」

と、ごちゃごちゃ英語が書いてある白いTシャツに、ブラックジーンズをババッと着た。

「これでよし」

結局、武志のいつものスタイルである。

「これが、一番似合うよな」

武志は鏡を見てニッと笑顔を作ると、腕時計をはめて、玄関へ行き、素足にスニーカーを履いて、ドアを開けて出ようとした。

「あっ!何も持ってないっ!」

武志は自分が手ぶらで出掛けようとしている事に気づき、スニーカーを脱いで急いで部屋へ戻った。

「これを持って行かなきゃ、ヒンシュクもんだよな」

武志は鞄に教科書とノートと適当に参考書を入れ、最後にペンケースを入れ、机の回りを見回した。

「もう、忘れ物はないかな」

しっかり確認すると、再び玄関へ行き、スニーカーを履いて家を出た。



しばらく歩いていたが、信号で止まった時、武志は重大な事に気がついた。

「あれ?図書館って、何処だっけ?」

武志は、生まれて16年、公立図書館なんて行ったことなかったが、今日の目的地はその図書館なのだ。

「どーしよう」

困っていると、二人乗りで自転車に乗っている高校生らしき男たちが、スーッと、隣に止まった。

ラッキーと思って、武志は後ろに乗っている方の男に声をかけた。






このまま武志を追う方は、
『次へ』へ。


自転車の男を追う方は、
『26ページ』へ。
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