〜絆〜涙のインターハイへの道
「全員集合。斎藤は今日も来てないのか…。誰か連絡聞いてないか??」






「先生あの…斎藤先輩は歯医者に行くって…」






「岡本、昨日も斎藤は耳鼻科とか言ってたじゃないか。そんなに病気なわけないだろう。」





「でも…斎藤先輩がそう言われてたんで…僕には分からないです」






当たり前の部活前の光景のなか、みんな早く部活をしたいらしく先生を睨んだり、その場で体操をしているやつまでいる。





先生(河本尚樹)=「通称・尚樹」は倉南学園陸上部の顧問である。専門はハードルであり、かつてはインターハイにも出場したらしい。今ではそんな面影もないが…。生徒からの人気は高くはない。 





岡本は俺の後輩である。普段は気が弱いが、試合になると驚異的な力を発揮する。専門は100・200メートルで、マイルでは3走で堅実な走りをしてくれる。





斎藤=「通称・聖平」は陸上部の中の問題児である。素行が悪いわけではないが、普段の練習には週に2日出てくればいいほうである。しかし、試合では潜在能力をかなり発揮するセンスではナンバーワンの選手である。専門はにしむと同じ400Hでマイルでは1走で安定感抜群の走りをしてくれる。

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