ティッシュに涙と少しの残骸
【うふふっ♪ちー助くん可愛い】

彼女の苦しそうな泣き声や切ない呼びかけしか聞いた事なかったから、普通に話す声に少し胸がきゅっと狭くなった。

【私は宮下星流ってゆうんだ。よろしくね】

骨張った頬をゆるませちー助に笑いかける仕草にまた胸が痛くなる。

『俺は日浦猛、よろしく星流ちゃん』
【あっ…はい】

目線を下に落として少し照れてる?もじもじしながらちらり、と此方を見た。

『ねぇ、いくつ?』
【じゅうなな…】
『高校生かぁ。若いなぁ』
【猛さんはいくつなんですか?】
『ハタチ。高校生から見ればオッサンだろ』

カフェオレの缶をようやく開け白くか細い喉を、こくりと鳴らして一口飲み、そんな事ないですと儚げなく笑う。そして俺の目を見て

【私のこと、気持ち悪くないですか?】

と小首を傾げて上目遣いで真っ直ぐ見てきた。
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