ティッシュに涙と少しの残骸
【ちょっ!?私なにかまずい事でもゆった?】
『いや…っ、ごほっ』

ケホケホと咳き込み落ち着いてから息を吸った。星流は変な猛、と痩せて肉のない頬を引き上げて笑う。

『今日ウチ来るか?』
【はっ!?】

いきなりの誘いに星流が固まったけど俺の口からはまるで練習したかのように言葉が出てきた。

『母さん夜勤で居ないし俺ひとりじゃ食いきれないし。星流が良ければの話だけど』

痩せ過ぎてガリガリの星流を心配はしてるがそれは星流にとって余計なお世話なのかもしれない。
拒食症を何かのきっかけで治したいとも思ってるのも事実だ。俺に出来ることが有れば星流にしてやりたいし、力になりたい。

【いいのかな…?】

ものすごく小さな声でぽそり、と呟いてちー助を目で追っている。

『ああ、ちー助も喜ぶよ』

すると星流はカフェオレを一気飲みしちー助を呼んだ。

『帰るか』

ワンッ!

【ちー助!今日は私と一緒だよ♪】

リードを掴みちー助に引っ張られながら歩く星流の細い背中を見ながら家路へと向かう。
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