ティッシュに涙と少しの残骸
しまった、星流が一番気にしてるのに俺ってばつい…
身体を抱いてる手が震えてる。完全に顔を背けこっちを見ようとしない。取り皿に肉や野菜を入れて星流の前に置いた。

『色気ねぇな~』

びくりと肩が反応して恐る恐る目線を合わせる星流。まだ震えている。

『そんなんじゃ男も寄ってこないぞ。もっと太れ!胸に肉つけろ』
【なッ!?猛のスケベ!】
『男はみんなスケベだよ。ほら、卵入れるか?』

顔を真っ赤にして俺の手から卵を奪い取り、殻を割った。烏龍茶をグラスに注ぎ星流の右側に置く。

【いただきます!】
『ご飯も食えよ』

少し怒り気味の星流に山盛りの茶碗を渡したら案の定怒られた俺。
温かい鍋を向かい合って会話しながらつついて食べ終わった後は星流が片付けてくれて、ちー助と綱引きをして遊んでくれた。
星流の笑い声なんか好きだな、ほんとに楽しくて仕方ないって心から笑ってるみたいで。ちょっぴり鼻にかかった甘い声。可愛いと思う。
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