ティッシュに涙と少しの残骸
【ちー助の分もちゃんとあるからね。はいどうぞ】
『人間の分は?』
【ちー助よりお行儀悪いんですけど?】

ふっ、と笑い重箱を開けて星流がおにぎりを手渡してくれた。海老の天ぷら、玉子焼き、タコさんウインナー、ブロッコリーとプチトマト、林檎ウサギも居る。

『おにぎりうまい!星流料理上手いんだな』
【そんなことないよ、はいお茶】

水筒から注がれたお茶を受け取り半分飲んだら星流が俺の手からカップを奪い飲み干した。

【ぷはあ、ご飯にはやっぱり麦茶よね。…ん?何?】

俺の視線に気付き嫌がる事なく聞いてくる星流になぜだかドキリとしてしまった。

『別に…』
【そ?あっ、海老天食べてみて。醤油なくても食べれる様にしっかり下味つけたからそのままでイケるよ♪】

星流は作った料理をひとつひとつ説明付きで紹介してくれた。2ヶ月前に比べたら断然明るくなったし自分の言いたい事もきちんと伝えてくる様になり笑顔も増えたな。
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