ティッシュに涙と少しの残骸
自然に微笑むことが出来る様になったのは猛とちー助のお陰なんだよ、と桜を見上げて密かに感謝をした。

『そうだな、彼処の桜は毎年見てるから今年は一風変わっててもいいよな』
【そんなに代わり映えしないと思うんだけど】

桜の花ってあまり大差ないような気がするんだけどなぁ。

ぐう~~~~…
でっかい音に思わず猛の方を振り向いた。

【…は?】
『………腹減った』

私より大きくて年上なのに小さな子供みたいに不満気な表情をして、お腹をさすってる。そんな猛が可笑しくてお腹を抱えて笑う。

『何も食べてくるなって言っただろ~!?』
【ごめん、ごめん。お弁当作ってきたから食べよ】

笑い過ぎてうっすらと出た涙を拭い桜のすぐ下にレジャーシートを広げてお弁当と水筒を準備する。味見はしたけど美味しいってゆってくれるかなぁ…
お弁当をほどきおにぎりを取り出した。
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