ティッシュに涙と少しの残骸
【ちー助の分もちゃんとあるからね。はいどうぞ】
『人間の分は?』
【ちー助よりお行儀悪いんですけど?】

お腹が空くとみんな子供っぽくなるのかな?重箱の一番上の段はちー助用のお弁当。私の隣に置いて猛におにぎりを渡す。海老の天ぷらはしっかり下味つけたし、玉子焼きは3回目でようやく成功した、タコさんウインナーは切り方がイマイチ解らなくて苦戦したし、ブロッコリーとプチトマトは串に刺しただけ、林檎ウサギは簡単に出来た。

『おにぎりうまい!星流料理上手いんだな』

猛のその言葉を聞いてほっとした。

【そんなことないよ、はいお茶】

海老天をほおばりながら嬉しくてニヤついてるのを気付かれない様に、猛にお茶を渡す。
ん?海老つっかえた…、猛が一口飲んでおにぎりにかぶり付いた隙にカップを横取りしちゃった。

【ぷはあ、ご飯にはやっぱり麦茶よね。…ん?何?】

猛が私をじっと見てから、まずかったかな―?怒って…る?

『別に…』
【そ?あっ、海老天食べてみて。醤油なくても食べれる様にしっかり下味つけたからそのままでイケるよ♪】

なんだかちょっと変な空気になったから料理の説明を始めてみる。ちー助はあっという間に平らげてひたすら走り回って楽しそうにしていた。
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