ティッシュに涙と少しの残骸
日が暮れるまでの時間は冬よりかは幾分長くはなったけど、だからといってちー助が轢かれる可能性は変わらない。
ひやひやしながらちー助を追うが全く追い付けない。何度目かの角を曲がったら悲鳴が耳に届いた途端、頭から血の気がザクッと引いた。
息もあがり切り転げるように角を曲がると―

【あははっ♪くすぐったいよう】

星流を押し倒し頬を舐めたくっていた。言葉が出てこなくてそのままへたりこむ。

【猛、どうしたの?ちょっ!ちー助ストップ、ストップ】
『な…んだ、よ。っとに…アホ』

ぜいぜい肩で息をしながらちー助に悪態をついた。

ワンワンッ!

文句まで言われちまった。誰に似たんだかな。
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