ティッシュに涙と少しの残骸
「よっ!どうした?なんかいい事でも有ったのかぁ!?」
『なんだよそれ。別に変わらねぇよ』
「なんかニヤけて気持ち悪ぃぞ。二人暮らしはどうだ?」

美葉はサークルがあるから暇な侑一と仕方なく一緒に帰っている。将が高校生になり寮生活になったことは以前侑一に話した。

『余計な気を遣わなくて済むよ』
「でもおふくろさんとふたりきりって結構キツくねぇ?」
『いや、別に…』

侑一が思い出したように俺の腰を叩いた。

「今日お前ん家行っていいか?」
『ああ。ちー助の散歩あるけどな』
「付き合うって」

途中コンビニに寄りパンやら菓子やら買い込み侑一と実のならない会話をしながら家のドアを開けた。
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