ティッシュに涙と少しの残骸
慌てるちー助に引っ張られながらいつもの自販機を通りすぎた。侑一がひいひい言いながら後ろをついてくる。
河原に到着したら星流が土手にちょこんと座って空を眺めていた。

『せ…』


ワンワン!
俺が呼ぶか呼ばないかの数秒をちー助に取られた。立ち上がり俺たちに気付いて振り向いた瞬間、星流の大きな目が見開き、ぎょっとした表情で侑一をみやる。
ぶるっと大袈裟に身震いをし、身体を強張らせたのが解った。

『よう、星流。こいつ一応俺の友達』
「一応ってなんだよ。あ、初めまして」
【…初めまして。宮下星流です】

グレーのロングパーカーの裾をぎゅう、と握って震えを無理矢理こらえる星流が痛く見えた。
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