ティッシュに涙と少しの残骸
「可愛い子だなぁ。いつ知り合ったんだよ」
『冬』

星流とのことをあまり詳しく話す気にならなくて曖昧な表現でしか言いたくない。きっと星流も知り合ったばかりの侑一に話したくはないだろうし。産まれたばかりの仔猫みたいに震えている星流の右側に近付き

『大丈夫か?』

侑一に気付かれないようにそっと問うと真っ直ぐに目を合わせてこくん、と頷いた。

【ちー助!今日は負けないからねっ!】

リードを外してやると弾丸のように土手を走り出したちー助に遅れをとるまいと必死に追いかける星流をしばらく見ていたら

「あの子のこと好きなのか?」

侑一が少し緊迫した口調で聞いてきた。
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