ティッシュに涙と少しの残骸
『好きって?』
「お前には美葉ちゃんが居るだろ」
『星流は友達だろ。ちー助のやつ俺より星流のゆう事聞くんだぜ』

侑一はちー助と星流の鬼ごっこを無言で眺めてからまた明日と告げ来た道を戻っていった。なんだか胸騒ぎがする。いい気分はしないな。

【た―ける―!!】

息を弾ませながら俺に手を振る星流の横をちー助が通りすぎた。

【もう~!少しは手加減してよぉ】

苦笑しながらちー助の後を追う星流にそろそろ帰ろうと呼び掛けるとやれやれといったポーズをとって此方に近付いてくる。
そんな星流に気付かないでちー助はまだ走り回ってる。

【さっきの人は?】
『帰ったよ。今日はカフェオレないんだ、わるいな』

鼻にうっすら汗を浮かべて微笑しながらいいよ、と土手に座り背伸びをした。

『友達連れて来てごめんな。いきなりでびっくりしたろ』

星流に恐怖感を与えてしまった事に責任を感じてしまい、詫びた。
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