ティッシュに涙と少しの残骸
美葉を家まで送る間ただ黙って手を繋ぎお互いのぬくもりを確かめあいながら歩いた。
クリスマス楽しかったねと思い出話をする美葉に初詣は楽しくなかったのかと聞くと、おみくじが小吉だったから楽しくなかったと俯いて笑った。
美葉を最後に抱いたのは大晦日だ。母さんが夜勤で将は居なかったからベッドで一緒に新年を迎えようとしたら美葉は果てて眠っていた。

「そういえばもうすぐバレンタインだね」
『そう…だな』
「ねぇ、チョコはミルクとビターどっちがいい?」
『どっちかっつうとビターかな』
「わかった!送ってくれてありがと、また明日」

玄関のドアを開けようとドアノブに手を伸ばした美葉に俺は明日は一緒にのんびりしよう、と誘ったら頬をピンク色に染めてはにかみ頷く美葉にみとれてる俺がいた。

「楽しみにしてるね」

頬を染めた美葉が名残惜しそうにドアを閉めた。
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