ティッシュに涙と少しの残骸
【うん…、私まだ猛以外の男の人信用できてなくて】

侑一に対してか申し訳なさそうに俯いて膝を抱えて背中を丸め遠くをみつめている。
河原から吹いてくる少し冷たい風が桜の木を揺らして花びらのシャワーが俺たちに降ってきた。桜も散り始めてほとんど葉っぱだけになっている。
風に乗ってひらひらと花びらが星流の頭のてっぺんにくっついた。くるくるしてる毛先の方にも2、3枚くっついてる。
星流の隣に座りそっと髪に触れたらいきなり顔をあげて

【やっ!?怒らないで!】

怯えた時みたいに眉を下げてくちを半開きにした星流の顔が可笑しくて思わず吹き出してしまった。そんな俺を呆気にとられて見ていたがこの状況が可笑しくなったのか一緒になって笑い転げた。
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