ティッシュに涙と少しの残骸
夕飯と風呂を済ませ髪をがしがしと水玉模様のタオルで拭いてたら母さんの呼ぶ声がした。またちー助のことで困ってるのかと思い階段を早足で降りたら玄関に来客が居た。

「猛、お客さんよ」
「お邪魔します」

にっこりと母さんに微笑み遅れてごめんねと俺の手を取る美葉。突然の出来事に混乱する俺を尻目に母さんは風呂場へと足を向けてごゆっくりと俺たちに言い背中を向けた。

『来るならメールくらいしろょ』
「いきなり来られちゃまずいの?」

刺のある言い方で俺の手を引っ張り階段を昇る美葉が怖い。何か怒らせる理由がなかったか脳をフル回転させながら部屋に入る。

『どうしたんだよ。今日のことで何か不満でも有ったか?』

美葉がみるみるうちに怒りを露にした目付きで真っ赤な顔をして俺に詰め寄ってきた。
< 162 / 248 >

この作品をシェア

pagetop