ティッシュに涙と少しの残骸
お互い無言のままてくてくと熱い日差しの中を歩いてくといつもの河原に着いた。

『ちー助は留守番だぞ。その格好じゃ追いかけっこは無理だろ』
【ふふっ。目的地はここじゃないの】

振り返り口元を緩めて笑ってまた前を向いて歩みを進める。だんだん見慣れた景色になってきて俺の家を横目で通りすぎちょっと細い路地に入る。
へぇ、ここって道だったんだと新しい発見と共にどこに行くのか少し不安になってきた。路地を右に折れたらくたびれたアパートが現れた。

【行こう】

短く言って階段を昇る星流に続く。目の前で真っ白なスカートがふわふわと揺れてる。二階建ての右から二番目のドアのベルを星流の白い指が押した。
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