ティッシュに涙と少しの残骸
すると5秒ほどしたらカチリとドアが開き40代半ばの色黒の女性が星流に笑いかけてから俺を見た瞬間、目を見開いて驚きと困惑の表情を浮かべてる。

【おばさん、どうかしたの?】
「…いいえ、さぁいらっしゃい」

少し狭いアパートの一室に花が大量に飾られている。星流についてそこに座った。小さなテーブルの上に真雪ちゃんの写真と遺骨が並んで正面を向いている。そっと手を合わせて星流を横目で確認したら視線に気付いて目が合った。

「久しぶりね。元気そうでよかった。心配してたんだから」

麦茶とクッキーをすすめられて一口飲む。さっきからチラチラと俺を見てるからすごく気になるんだけど…

【おばさん猛のこと知ってるの?】

チョコチップクッキーをかじって星流が聞いたら言葉を濁して隣の部屋へと行ってしまった。

【猛会ったことある?】
『まさか。初対面だぜ』
【ふ~ん、真雪に猛のこと紹介したかったの】
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