ティッシュに涙と少しの残骸
【たけっ…】
『勝手に帰って悪かったな。なぁ星流のウチに行ってもいいか?』

猛は暑そうにシャツをあおいでカフェオレを手渡してきた。

【…いいよ】
『悪いな。星流連れてくとちー助がおとなしくしてくれないからさ』

さっきの勘違いを猛に話そうかと思ったけど変に身構えちゃって言えない。早足で家に向かい鍵を開け、駆け足で部屋に入る。

『星流?鍵は?』
【開けといて~】

急いでクーラーのリモコンのスイッチを押した。階下へ降りて玄関につっ立ってる猛にスリッパを出してキッチンへ行き冷凍室からチョコアイスを取り出し袋を破く。

【部屋が冷えるまで待ってよ】

アイスをくわえてもう一本のアイス封を開けて猛に渡す。

『サンキュ。星流の家はでかいな』
【お父さんの趣味。私のお父さんも医者だよ】
『えっ!?そうなのか?』
【外科医。なんでも時期院長候補らしいよ】
『すげぇな。あっ、このアイスうまい』
【私のお気に入りだもん】

アイスを食べ終わりカフェオレを持って私の部屋へと階段を昇る猛の背中をみつめた。
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