ティッシュに涙と少しの残骸
部屋に入ってクーラーの温度をあげる。ベッドの脇に座った猛は昨日私が寝るまで読んでた最新医療の歩みを枕元から大きな手で掴みしおりを挟んだところから読み始めた。

『星流は医者になりたいか?』
【…まだ判んない】
『なのに医療には興味有るのか?』
【うーん…】

椅子に座り首をひねる。なんだろう、猛やっぱり変。

『悪い。星流に聞いてばっかだな。真雪ちゃんのこと教えてくれてありがとな。今度は俺が話す』

本を閉じてピンクのハートテーブルに置いてカフェオレを一口飲んで猛が私に話し始めた。

お兄さんのこと
彼女のこと
親友のこと
家族のこと
そして
ちー助のことも


『彼女が侑一に惹かれたのも解るんだ。俺が甘えたばっかりに。ふがいないな』

乾いた笑いを漏らし肩が震えてるのを私は見逃さなかった。
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