ティッシュに涙と少しの残骸
「じゃあ猛の実験に付き合ってただけなんだね。残念だけど猛は君のこと友達とは思ってないよ。美葉ちゃん、オレの言った通りこのこは猛とはなんともなかったよ」

最初から用意されてたみたいに
淡々と
冷たく
しかも一気に言葉の刃を向けられて私はただなすすべもなく、傷つけられたらしい。

【実験って…なに…?】

俯いてた顔をのろのろと上げて猛を見ると美葉さんを抱きしめて侑一さんに今にも殴りかかりそうな怒りに満ちた眼をしている。

「あれ?友達なのに聞いてなかったの?猛は精神科選考なんだよ」

嫌みったらしい笑顔で私を蔑む様に顔をみつめてくる。

「言われてみれば全体的に細いね。引きこもりするなんて心が弱いからなんだろうな」
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