ティッシュに涙と少しの残骸
胸にハンドタオルを巻いて腰にはバスタオルを巻いて居間に行ったら案の定星流に笑われた。

『部屋行ってるわ。星流ちー助と遊んでるんだろ?』
【えっ…。うん…】

早足で階段に向かったらちー助が吠えた。ご飯はあげたから散歩に行きたいんだよな。

【今日は雨だからお散歩は明日だよ。ねっ】

俺の代わりにちー助をなだめてくれる星流に嬉しくなる。それと同時に切なくなった。階段を上がってる途中で身震いをし、ドアを開ける。ベッドの隅に放り投げたTシャツを確認して胸のタオルを剥ぎ取ったらドアノックの音が聞こえた。

【入ってもいい?】

慌ててTシャツを着込む。

『ああ』

ぱたりとドアを背中で閉めた星流は俯いたままだ。早くパンツ穿きたいけど見当たらないし、かといってあからさまにタンスを開けて探すのもなんかちょっと…なぁ。
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