ティッシュに涙と少しの残骸
『星流が大事だから嘘は吐かない。もし実験台にしてたとしたら美葉と別れないし、侑一とも距離を置かないよ』

湿った髪から俺と同じ匂いがする。鳩尾あたりが濡れた感覚を覚えた。

【…うん、信じる…】

グスッと鼻をすすって俺の胸元を押して離れる。ベッド付近に置かれてるティッシュを星流に渡して頭を撫でてやった。腰のタオルを気にしてベッドに腰かけると顔を拭った星流が隣に座った。

『落ち着いたか?なんか飲むか?』
【……】

俯いたまま、手をキツく握って動こうとしない。

『雨に打たれて風邪とかひいてないか!?』

星流の肩をつかんでこちらを向かせようとしたら思いっきり抵抗された。
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