ティッシュに涙と少しの残骸
しっとりと濡れた肌をお互いに寄せあい窓から聞こえてくる雨音が沈黙になるのを防いでいる。腕の中で目を閉じてた星流が俺の肩越しに外を眺めて眉をひそめた。

【梅雨入りしたのかな?】
『多分な。身体大丈夫?』
【っ…うん。シャワー借りていい?】
『服乾いてると思うから着替えなよ』

頬を赤らめてタオルで隠して早足で部屋を出てった。
さっきまでこの手に星流を抱いていたのがなんか夢のような気がしてきた。今までにない、不思議な感じ…

触れたのに
みつめあったのに
声も匂いも味も
感じたのに

この空虚感はなんだ?
美葉と抱き合った時とは違う。いつもなら満足感みたいな、安心みたいな感情になるのに。
< 225 / 248 >

この作品をシェア

pagetop