ティッシュに涙と少しの残骸
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「星流~」
【真雪!一緒に帰ろ】
「え?竜彦さんは?」
【彦じゃないって!竜弥だよ】
「竜弥って女の子みたいなんだもん。竜彦の方がいいって」

私の彼氏の名前をいつも勝手に改名する親友の真雪。秋も終わり北風が冷たいね、なんて他愛もない会話をしながらカラオケに行くかゲーセンに行くか悩んでいた高二の初冬。

あの時は楽しかったな。全てが上手く廻ってると思ってた。
上手くいってると思ってたのは私だけだったなんて…

何も知らなかったあの頃に戻れるなら戻りたい。
真雪の笑顔や竜弥くんの優しさの真相が知りたいよ。
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