ティッシュに涙と少しの残骸
携帯を制服のポケットへ入れてパンをかじる。

「竜弥くんなんだって?」
【迎えに行くからいつもの場所で待ってろって】

無理矢理パンを口に押し込みポカリで喉へ流し込む。胸ポケットから鏡を出して髪、顔チェック。

【よし!今日も可愛いぞ】
「自己暗示しなくても星流は可愛いよ」

カフェオレを通学バッグに仕舞い真雪も鏡でチェックする。
私たちはいつもの公園へ行き竜弥くんを待った。しばらくして黒の車体が遠くで鈍く光ったのを真雪が見つけた。

【竜弥くん来た♪行こう】
「星流待って」
【どうしたの?早く行こうよ】

私を引き止める真雪の顔は笑っていなかった。私が知ってる真雪はそこには居なかった。

「竜弥くんと別れて」
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