ティッシュに涙と少しの残骸
身体が真っ二つに引き裂かれるくらいの痛みが胸に広がってゆく。
私が悪いの?
恋愛って身体を重ねるだけのものなの?

「そうゆう事で。星流悪かったな」
「星流、素敵な誕生日プレゼントありがとう」

馬鹿みたいにそこに突っ立ってる私を置いて二人は車に乗って去って行った。
何も考えられない
何も感じない
ただ胸の痛みはじわじわと全身へと広がってゆく。


「お姉ちゃん?頭に雪が乗ってるよ!」

不意に4歳くらいの男の子から声をかけられ我にかえる。いつの間にか雪が降って一面うっすらと白くなっている。

「寒くない?手袋貸してあげようか?」
【知らない人には近付いちゃダメってお母さんから教えてもらわなかったの?】

小さな優しさに泣きそうになるのを堪えて男の子と同じ目線にかがんだ。
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