ティッシュに涙と少しの残骸
冷えると思ったらやっぱり積もってたな。俺たち以外の足跡もたくさん残ってる。雪にはしゃぐちー助。

『雪見るの初めてだもんなぁ』

ワンッ!

河原は少し風が冷たくて思わず身震いをする。ちー助は雪の匂いを嗅いだり、食べたりしている。

『親父の居るとこも雪降ったのかな~?』

背伸びをして薄いオレンジ色の空を眺める。
ん?
河原付近に女の子…?珍しいな、こんな時間にひとりで何やってんだろ。散歩とかかな?
不意にリードを強く引っ張られちー助に負けた、土手へと向かって走る。うっすら積もった雪から草が寒そうに頭を出していた。

『おい!速いって!おわっ!?』

危うく躓いて転がり落ちるとこだった。危ねぇ、危ねぇ。
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