ティッシュに涙と少しの残骸
雪、雪、雪
降り続く雪
今年初めての雪

今年から雪が嫌いになった

まゆき
もう私の知ってる真雪は何処にも居ない
私の知ってる竜弥くんも何処にも居ない

彼氏と親友を失くした哀しさと
何も知らないで信じてた愚かさが私の頭をおかしくする。
ぐるぐるとふたりの顔が浮かんでは消え、浮かんでは消えた。


「…る…星流!遅刻するわよ!いつまで寝てるの!?」

階下から呼ぶお母さんの声で目を覚ます。学校行きたくない。真雪に会いたくない。涙でまだ湿ってる枕に顔を突っ伏して知らんぷり。

「星流っ!いい加減にしなさいっ!」

がばっと布団を剥がされ冷たい空気が襲いかかってきた。

「やだ、制服のまま寝たの!?皺になるのに…。星流?」

私の肩に手をかけたお母さんが心配そうに問いかけてきた。

「なんか熱いわね。体温計持ってくるから上着脱いで」

遠のいてく足音と同時に起き上がりブレザーを脱ぐ。ぐらり、と視界が歪む。顔が熱い。
昨日雪の中どれくらい居たのかな。風邪ひくなんてね。
熱を計ったら38度7分だった。
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