ティッシュに涙と少しの残骸
なぜか急にお風呂に入りたくなって制服をリビングのソファへ脱ぎ捨てた。
下着を洗濯機へ放りシャワーを浴びる。胸元の星のペンダントがお湯に反射してチカリと光った。
誕生日に真雪から貰った大切な私の身体の一部。
光に透かして見るとプリズムが虹色に輝くの。立体的な星の形がころん、と愛らしく一目惚れして思わず買っちゃったと喜ぶ私を眺めて満足そうに微笑む真雪の嬉しそうな顔を思い出した。
ガツッとシャワーを掴み頭からかぶる。

全て洗い流して
あの日の事はなくして
また一からやり直そうよ
真雪
ずっと友達だよ
だから死んだなんて冗談だよね
真雪が何処にも居ないなんて嘘だよね

お風呂から出たらメールしよう
大丈夫
毎日メールしてたんだもん
すぐ返信してくれるの知ってるもん


普段通りにメールを送り返信を待った。日付が変わるまで待った。



真雪からメールはこなかった。
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