ティッシュに涙と少しの残骸
「あのこ寝るまで星流ちゃんの事ばかり話しててね。ほんとに大切な友達を見つけたんだって親として嬉しかった。時折悩んでたみたいなんだけど星流ちゃん何か知ってるかな?」

きっと私と竜弥くんの事だ、とすぐ察知した。ほんとの事は言えないから嘘を吐いた。

【いえ、特に…】
「こんな事聞いてごめんなさいね」

無理に笑ってる顔が痛々しくて切なくて思わず目を逸らした。

「よかったら真雪の物持ってって。処分するのに時間がかかりそうなの。部屋判るよね」

階段を昇り一番右側の部屋へと入るとベッドに貼ってある真雪がハマってる俳優のポスターがお出迎えしてくれる。
いつもの真雪の部屋に真雪は居ない。綺麗に並べられたネイルとネイルアートの本。ベッド付近の水色のハートテーブルには読みかけの漫画が積んである。
これ一緒にハマって読んでたっけ。ふと一番下になっているノートらしき物を手にとりページを捲る。
3ページくらい読んで鞄に仕舞い、挨拶をして家へと全力疾走で玄関に滑り込んだ。
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