ティッシュに涙と少しの残骸

『わかってるって。食ってからやるよ』
｢それより将遅いわね。どこまで受験勉強しに行ったんだか｣

俺はこたつから出てちー助と台所へ移動。
ちー助のマリンブルーの食事用の皿は俺が選んで親父に買ってもらった。

｢いっぱい走ったもんな。ちゃんと食えよ｣

ドッグフードをザラザラと皿に盛ると尻尾を振り目を輝かせよだれを垂らしている。

『待てっ！お手っ！伏せっ！ジャンプ！食べてよしっ！』

日に日に理解してきてるなあ、成長していく姿がたまらない。

｢ただいま～！｣
｢将遅かったね。ご飯出来てるよ｣
｢友達と食べてきたからいらない｣

すると母さんは少し悲しそうな表情をして愛想笑いを将に向け、無理しないでと短めに言った。