ティッシュに涙と少しの残骸
「成る程、ただ老けてるだけじゃないんですね」
「そんな言い方はないだろう。楽しんでね、実らなくても星流ちゃんとずっと一緒に居るんだよ」

余計なお世話だと叫びそうになった時、帰り支度を終えた星流があたしを呼んだ。

【真雪―!!早く帰ろ~!】

店長におもいっきりしかめっ面をしてついでに舌も出して走って荷物を取りに行った。



【メリークリスマ~ス♪】

クラッカーをパン!と鳴らす。

「ジングルベ~ル♪ジングルベ~ル♪クリス~マス♪」
【歌詞違うよ】
「アレンジってゆって」
「星流もそんな事にこだわらないの。はい、真雪ちゃんたくさん食べてね」

星流と一緒に頂きますをしてピザにかぶりつく。テーブルの上にはシーフードのクリスピ―ピザともちもち生地のグラタンピザ。
ケンタッキーに海藻サラダとポップコーンとポタージュスープ。そして店長から貰ったケーキ2個。

「真雪ちゃんゆっくりしてってね、じゃ行ってきます」
【楽しんできてね!】
「わぁ、きれ―い」

星流のお母さんは友人のクリスマスパーティーにお呼ばれされたんだって。ワインレッドのドレスが素敵。深みのある紫のハイヒールを履いてハリウッド女優みたいに優雅にドアを開けて出掛けていった。
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