ティッシュに涙と少しの残骸
そんな母さんの顔を長く見ていたくなかったから麻婆豆腐をがっついた。

『心配すんな、俺が将の分まで食ってやるから』
「腹八分にしなさいよ!満腹になると眠くなるんだからね!」
『人が親切でゆってんのになんだよ!いてっ!』

平手でおもいっきり背中叩くなって!!
白菜の浅漬けをかじり味噌汁を取りに行った母さんの後ろ姿を睨む。

「欲求不満なの?」
『ガキが何ゆってんだよ。早く風呂入れ』

箸をくわえたまま顎で指図する俺に将は薄笑いを浮かべて居間を出て階段を昇る。
ったくあれで中学生かよ。あいつは俺の弟の将(まさる)
受験生活真っ只中…だと思う。何かにつけて俺につっかかってくるんだよなぁ。ちー助も可愛がらねぇし、ちー助もなつかない。

「ほら、お味噌汁飲みなさい」

お椀を渡されそのまま口につける。

『母さん!薩摩芋は具にすんなってこの前言っただろ―がっ!』
「だってたくさん頂いたもの。腐ると勿体ないじゃない」
『それとこれとは別問題だっ!!』
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