ティッシュに涙と少しの残骸
あたしのみつめる先に星流の姿がいつも居て欲しい。
一瞬、一瞬の表情を瞼の裏に焼き付けていたい。

星流があたしの為に吐いた嘘なら受け入れるし
それさえも許せるよ


ねぇ
星流

あたしね
ほんとに


【ここでいいよ、バイバイ】
「メールするね」

星流が角を曲がるまで見送り、来た道を戻る。
ぽたっ…

制服の襟に涙が落ちた。
右手の甲で拭い鼻をすする。





こんなに愛しいと想えるのだろうか。
この時初めて
男になりたい
と思ったんだ。
< 80 / 248 >

この作品をシェア

pagetop