ティッシュに涙と少しの残骸
昨日一晩中考えたセリフを頭の中で反復しながらタイミングを見計らっていたら

【あっ!見て!!】

星流が小さく叫んで再び星空に指を差した。
すると
星がすう―っと、ゆっくり…ゆっくり…
動いて、天の川の向こうにある星に、辿り着いた。ドキドキしながらずっと眺めていた。星流も同じだった。
織姫と彦星が一緒になり天の川が更にキラリと輝いた。あたしの気のせい?

【1年に1回しか会えないなんて可哀想だよね…】
「そんな事ないと思うよ」
【どうして?】

目線をあたしに移した星流の瞳が濡れていた。

「だって一生恋人で居られるから。結婚したら相手の嫌な所も見えてくるし毎日一緒だとときめきも薄れると思うの。あたしは死ぬまでドキドキしていたいな」

なんでこんな事が口から出たのか解らない。でも
織姫と彦星も多分同じ事を感じてるとそう、思った…

【真雪ってロマンチストだね】
「えっ!?それは星流の方でしょ?」
【2人の気持ちが理解できるなんてロマンチストじゃなきゃ無理だよ】

あたしの好きな笑顔で笑う星流が愛おしくてたまらない。
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