ティッシュに涙と少しの残骸
なんだか泣きたくなってきた。潤んだ目で星流があたしを見ている。下唇をきゅっと噛んで涙を止めた。

「あっ?流れ星だ!」
【どこどこ?】

右手を星空にかざし何かを掴んだフリをすると左手のペンダントを右手へと移行させて星流の目の前へと持ってゆく。

「ハッピーバースデー。星流の為に流れ星を捕まえたよ」

そおっと人差し指からゆっくり開いてくと星のペンダントが顔を覗かせる。
星流は涙をこぼしながらあたしの手からペンダントを受け取った。

【…これって宇宙に怒られない?】
「星を盗んだから?」

ペンダントを両手で握りしめ顔を当てて泣いている。あたしは深呼吸をし、星流の肩を抱いて

「お誕生日おめでとう。これからもずっと一緒だよ」

なんだか恋人がゆうセリフみたいで1人で照れた。星流はありがとう、ありがとうと繰り返しながら抱きついてきた。
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