ティッシュに涙と少しの残骸
「ボクが送るからミッキーは後片付けオネガイ」
「そう?じゃお願いね」

リックさんがNIKEの真っ赤な可愛いスニーカーを履き店長に投げキッスをした。そんな光景を見てあたし少し羨ましかった。

「行こうか」
「店長また明日ね」

少し心配そうな店長の眼差しがリックさんに向けられていたのを気付きもせずドアは閉められた。

「ケーキどうだった?」
「オレンジリキュール入ってます?」
「スゴい!ミッキーはワカラなかったのに」

道中ケーキの感想を聞かれながらリックさんに肩を抱かれて歩く。慣れないけどこの方が安全だからって店長にゆわれたってさ。(ミッキーって店長の愛称だってさ)

「此処らへんでいいです」

星流と星空を見上げた河原に着く。今日も空から零れそうなくらいに星たちは光、輝いている。

「そう?ダイジョーブ?」
「大丈夫。リックさん早く戻った方がいいよ。店長心配してるよ?」

少しもじもじしながら来た道をちらりと横目で見て

「ごめんネ。じゃ、またネ」

店長の元へと小走りで去ってゆくリックさんの後ろ姿を2秒くらい見て前を向いた。
羨ましいなぁ…って素直に思った。
あたし、星流に会いたい。
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