ティッシュに涙と少しの残骸
「真雪ちゃん、顔怖いよ。接客業なんだから笑って?」
「…すみません」

仏頂面でレジに立ってるあたしを店長が困り顔でなだめてきた。だって、星流に8日も会ってないんだもん!

逢いたい
顔が見たい
…触れたい

メールや電話じゃ星流の温もりは伝わってこないから。
星流は今、何を思って、何を見てるのだろう…

「あの…会計お願いします」
「あッ!?はい!」

いけない、いけない。仕事しなきゃ、店長に叱られる。
営業スマイルは唇の端っこがひきつって上手く笑えなかったよ。


「お疲れ様でした」
「真雪ちゃん、仕事に私情は持ち込み禁止だからね。これから気を付けて」

珍しくキツい口調の店長にあたしただ反省する。

「すみませんでした…」

つうっと
右目から涙が出現したら店長が慌てて謝ってきた。

「ごめんね!僕が悪かったから泣かないで」

店長の優しさに更に泣けてあたしは店を勢いよくで出て、自転車に跨がった。
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