ティッシュに涙と少しの残骸
初秋のある日、星流からあたしに残酷な報告が昼休みのまったりタイムを台無しにした。

【…付き合ってるの。例のあの人と】

心臓を
布団叩きで
思っきりぶっ叩かれた感じした。
下唇をぐぅ―っと噛みしめカタカタと震える拳を抑えるのに必死で笑顔でおめでとうがなかなか出てこなかった…

唇を噛みすぎて血が滲んでる。トイレの鏡に映る不細工な歪んでいる顔に苦笑いをする。

「笑えね―よ。心からはね…」

少し赤が強めのリップを塗ってごまかす。
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