一生懸命でした。



「修斗くんのこと、友達って思ってもいいの…?」

「当たり前じゃん」

「……うん、ありがとう」


確認しないと、友達じゃない気がして怖かった。

はっきりと言葉にしないと確信を持てない。

人間不信になりかけているのかもしれない。













「大丈夫」













「え…?」













修斗くんは、何でいきなり、大丈夫、なんて言ったの?

どうして、大丈夫、なんて言ったのか理解出来なかった。

でも、その一言で、ワタシの冷たい心が少しずつ温まってきた。

たった一言だったけれど、涙が出そうなくらい心に入り込んできた。

修斗くんは、今、ワタシが置かれている状況が分かったのだろうか。

気付かれたくない。

気付かれるのが、すごく怖い。

ワタシの心は、母子家庭という言葉に怯えている。

修斗くんは、ワタシが母子家庭だと知ったら、どんな反応をするだろう。


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