月だけが知ってた


























  
       「あった。



        香月。昨日は・・・

        ごめん。」





 右手でパーマのかかった黒髪をわしゃわしゃ掻きながら

  いきなり、頭を下げられた。


        「えっ??」



  驚くワタシの手首を掴むと、ワタシの手のひらにまたもやなにかを握らせる。

     「もし、気に入ったら・・・

       ソレ、つけて使って。」





       そこにあったのは革紐。

       「これ・・、昨日のに?」

       紫と茶色の中間の綺麗な革紐。

        「そう。よかったら。」



       「ありがと。





       ・・・・ねぇ。」







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