俺様王子のお姫様
「ちょっと!何?」
何で私はこいつなんかに
手を引っ張られている訳?
着いたのは屋上。

「ねぇ、何なの?
もう授業始まるんだけど」
「サボれよ」
「はあ?何で?」
サボれとか意味わかんない。
やっぱり俺様は意味不明。
「私、戻るから」
そう言って戻ろうとした。

―グイッ
私は手を引っ張られ
体勢を崩した。
「いいから、座れ」
「何で私があんたと
サボらなきゃいけない訳」
「お前に興味があるから」
そう言われて少しドキッと
した自分がいた。

「は?」
「俺様にあんな態度
とったのお前が初めて」
そういう意味か。
少しドキッとした自分が
馬鹿みたい。

「お前、俺嫌いだろ」
「よくわかってるね」
「俺もお前嫌い」
「は?」
本当意味わかんない。
私は立ち上がり
帰ろうとした。

「けど、気になる」
「え?」
―キーンコーン…
沈黙した2人の耳には
鐘の音しか聞こえなかった。
< 5 / 74 >

この作品をシェア

pagetop