やんちゃ姫と腹黒王子
┣ 決闘
ウィンドミル・レイ・カロン。
私のお見合い相手らしい隣の国の王子様だ。昨日の私の誕生日パーティーにて、失礼な態度を取りよった無礼な奴。そんな奴が何故、何故に、
「何故に一緒に食卓を囲んでいる…?」
朝、いつも通り爺が起こしに来て、いつも通り着替えて、いつも通り食堂へと降りて、いつも通り父上様方に朝の挨拶をする。
全てがいつも通り。そう、コイツを除けば。
「…父上様?何故にレイ様が此処にいらっしゃるのです?」
親父、なんでコイツは堂々と人の家に上がり込んでんだよ?
そういう意味を含んでの問い掛けだったのだが、
「お腹が空いていたそうだからな!!」
…訳が分からん答えが返ってきた。
「…まだ食べちゃダメなのですか?」
コイツ、基、レイは少し上目遣いの涙目で父上様に訴えかけている。
父上様…、貴方はこの可愛さに負けてしまわれたのですね?
昔から可愛いものが大好きな父上様。母上様も可愛いものが大好きなので、それで意気投合し、結婚まで持ち込んだそうな。
なんとも微妙な結婚秘話だ。
まぁそんなことはどうでもよく。
「レイ様は昨夜からこの屋敷に居られたのですか?」