ぱちん!
「楓ちゃん、もう帰るんだよね?」
「はい」
最初はゆきちゃんを待つつもりだったんだけど、応援委員会から、長引くとあらかじめ連絡が入っていたらしく、教室でバイバイしておいた。
「俺も今日は上がりなんだ。だから一緒に帰ろうか」
うーん……いくら幼馴染みといっても、瀬戸みたいに私たちの関係を知らない人がほとんどだし、表向き先生と生徒が一緒に帰っていいのだろうか。
一緒に登校したときは、まだ先生として紹介される前だったから良かったけど…。
「どうかした?」
「い、いえ!帰りましょう!」
…まぁ、大丈夫だよね!
変に思う人が出てきたら、ちゃんと説明すればいいんだし。
「じゃあ、行こうか」
「はいっ」
折角だから、今は自分の気持ちに従おう。