ぱちん!
Story*05 帰宅途中で
「…楓っち…先生とデキてたのか」
帰宅途中、早速知り合いに疑われた。
「幼馴染みで家が隣なの!…ってか、石山くんまたサボったの?!」
「まあねっ」
出会ったのは、同級生でC組の石山敬一(せきやまけいいち)。
茶髪で耳にピアスをつけていて、学校に来ることは滅多にない。
見た目や態度のせいで不良と言われる彼だが、やや童顔で、いつも棒つきキャンディーを舐めているという幼さがある。
誰も近寄りたがらないけれど、彼はゆきちゃんの彼氏だから、一応仲は良い。
「……で、さっきから何見てんの?サボり魔に説教する?シンマイさん」
秀さんがきょとんと石山くんを見ていて、それに気が付いた先生嫌いの石山くんが、喧嘩腰に話を振った。
「まさかぁ。高校生にもなれば、どうするかは自分で決めていくだろ?俺はとやかく言うつもりはないよ。気を悪くしたならごめん、軟骨ピアス、初めて見たから珍しくてね」