ぱちん!
Story*06 身体測定
「ゆきちゃーん!一緒に身体測定回ろうよ」
「いいわよ」
今日は、年に一度の身体測定。
身長、体重はもちろん、耳や目、歯の検査もやる。
全学年でやるため、検査会場がそれぞれ別になっている。
「女子は保健室で身長と体重、あと座高を計るらしいわよ」
「保健室近いから、そこから行こう!」
そんなわけで、まずは保健室に向かった。
中は入口から身長、座高、体重の順で、並びやすいようにか、それぞれ間に仕切りがされていた。
思っていたより並んでおらず、すぐに順番が回ってきた。
「いらっしゃーい、佐々木さん」
「うっ…た、田中先生…」
まずは身長からか……と思っていたら、なんと田中先生が担当していた。
「お願いします…」
恐る恐る測定カードを差し出し、上履きを脱いで台に立った。
「じゃ、いくわよ」
すーっと、ゆっくりと降ろされる。
やがて頭につき、田中先生は手を止めて、カードに数字を記入してくれた。
無事に終わった…と思ったとき。
「まぁ、去年より縮んだんじゃない?」
「痛っ!いたたたたた!」
頭につけられたままだった…これなんだろう、バー?を頭に押し付けられ、あまりの痛さにしゃがみ込んで頭を押さえた。
「はい、終わり」
「あ、ありがとう…ございました……」
座高の列に並びながらカードを確認したら、去年より1㎝だけ身長が伸びていた。