ぱちん!
「さぁみんな、席に着いてちょうだい!今から新米教師の秀ちゃんを紹介するわよんっ」
新しい担任の先生が、入ってくるなりいきなりそう告げた。
ちなみに、名前は田中欠流(たなかかける)。32歳、独身、男。
入学当時から何度か見たことがあるけど、いつ見ても強烈なキャラだ…。
顔を引きつらせていると、秀さんが教室に入ってきた。
「皆さん初めまして。碕中秀です。この度国語科で、このクラスの副担を勤めることになりました。よろしくお願いします」
副担…?なんで?
「秀ちゃんが可愛いからって手を出さないでね!彼は私のものだから!」
なるほど…そばに置いておきたかったのね。
田中先生は、偉い立場だって聞いたことがある。
でも校長先生はよく許してくれたね。嬉しいけど。
みんなが田中先生に苦笑いを浮かべる中、秀さんと目が合った。
いつものにっこりとした笑みを向けられ、また心がときめいた。
私たちの、新しい関係が始まった。