ぱちん!
Story*03 担任の視線
秀さんの紹介が終わったあと、女子の反響がすごかった。
まぁ、若くてかっこいい先生なんて居なかったからね…。
予想はしていたけど、ここまで人気が出るとは思わなかった。
……と、お昼休みにゆきちゃんと屋上でお弁当を食べながら語っていた。
「ただでさえ厄介な関係になったのに、大変ね」
「うーん…」
私は甘い卵焼きを頬張りながら、こくこくと頷いた。
「…そういえば、碕中先生が楓に笑いかけた時、田中先生が楓の事睨んでいたわよ」
「え…!」
「あの先生、若い男性が大好きで、男子生徒を贔屓するって噂よ。女子よりきつい相手に目を付けられて、踏んだり蹴ったりね」
「そんなぁ…」
……確かに、変な視線は感じていた。
自意識過剰だと思っていたのに、まさか田中先生だったとは。
「ま、何かあったら私を頼って。力になるから」
ぽん、と肩に手を置かれた。
ゆきちゃんの珍しい微笑みが見れたから、きっといいことあるよね。
「さ、そろそろ予鈴が鳴る頃だから行きましょう」
「うん!」